ゆ、家を建てる

中古住宅検討~マイホームを手に入れるまでの過程を紹介します

【家づくり】必要最低限は耐震性能とビルダーの信頼度(2)

前回の続きです。

この記事の結論は「設計方針、建築方針、現場監督、建てる人(大工さんなど)、すべてが信頼できるビルダー(ハウスメーカー設計事務所工務店)に家づくりを頼みましょう」ということです。

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前回の記事では、家を購入する上で最も大事なことの1つ目は耐震等級3(できれば許容応力度計算の耐震等級3)をとることだと書きました(下記)。

しかし、設計段階で耐震設計ができたとしても、それを正しく建築出来なければ意味がありません。また、どんなに素敵な内装・外装設計をしても、設計図通りに建てられなければ絵にかいた餅となります。すなわち、信頼できるビルダーに家づくりを依頼することが必要となります。

 

(2)ビルダーの信頼度:設計方針、建築方針、監督の力量、大工さん他の力量
家づくりは、ハウスメーカー設計事務所工務店のいずれかに頼むのが基本形だと思います。それぞれの家づくりの流れを書きます。

(2-1)ハウスメーカー(以下、HM)に依頼:
 HMが設計→HMが現場監督→下請けの地元工務店・大工さんが施工
(2-2)設計事務所に依頼:
 設計事務所が設計→設計事務所が現場監督→下請けの地元工務店・大工さんが施工
(2-3)地元工務店に依頼:
 設計事務所or工務店が設計→工務店が現場監督→工務店の大工さんが施工

※ここで、シンプルに大工さんが施工と書きましたが、実際には基礎屋さん、外装屋さん、屋根屋さん、内装屋さん、電気屋さんなどにそれぞれの作業を依頼する形になります。
ここに示す通りHMと工務店設計事務所工務店というように、2社が連携して家を建てるケースがほとんどであり、2社の連携がうまくいく必要があります。一方で、他社が監督するからこそ、監視が効くというメリットもあります。

 

さて、設計を請け負ったビルダーは、現場監督による指示・確認や、指示書によって設計通りに家を建てようとしますが、たびたび問題が起きるようです。知り合いの家で実際にあった内容や、聞いたことのある事例を以下に示します。

・現場監督が全然現場に現れない。適切な指示をしない。
・現場への指示書の内容が間違っている(正しい施工方法じゃない内容となっている)
・注文部材が設計図と異なる
・設計図がそもそも穴だらけ(取付位置などが未記載)
・大工さんが指示書通りに作業をしない
・大工さんの施工力に難あり(雨漏りが起こるような施工)
・家を長時間雨にさらす(養生が足りない、しない)
・濡らしてはいけない部材を雨ざらしにして放置

こういった問題はあってはいけないことなのですが、我々は毎日現場に行けるわけでもなく、問題の内容によっては素人の施主ではなかなか気付くことができません。そして、このような問題を起こす作業者を、施主の立場では選択・排除できないのが普通です(俗にいう、現場監督ガチャや大工ガチャというやつです)。

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注文住宅は建て始めるまで、どんな品質になるのかわからない最高難易度プロジェクトです。見えないものに一生で一番大きなお金を出すからには、どんな設計方針で、どんな建築方針で、現場監督や大工さんは誰かなど、信頼して任せて良いビルダーなのかを事前にしっかり見極めましょう。

 

それでは、どのようにして見極めるのが良いのでしょうか。施主できる確認ポイントについて以下に示します。

・完成見学会に参加し、そのビルダーの最終成果物を確認する
 -施工の丁寧さを確認する。家ごとに違うので、複数見学する必要あり。
 -見学会をやっていないビルダーは論外。
・年間何棟くらい建てているか→建てすぎ(年間50棟以上?ザルにならないか)も注意
・建築業をどのくらいやっているか→経験が少ないのは要注意(初めての建築などは絶対ダメ)
・不動産屋さんからの評判→物件を見まくっている人たちなので、多少は参考になる。が、建物の知識不足の不動産屋が大半なので重要度低
・ビルダーと会話し、
 -施工に対してプライドを持っているか。誤りがあった場合にしっかり修繕するプライドがありそうかを見る(ただし、口だけなら何とでもいうので注意)
 -建てる人の顔が見れるか→自社大工か、地元の優秀な大工に依頼できるポジションか、建てる人が事前に訓練を受けている人なのかを聞く(信じるしかないかも?)
 -作業者の力量による品質・精度のばらつきが出ない仕組みがあるかを確認する(例えば、建築部材に施工を間違えないような仕掛けがしてあるか、など)

 

私は建売住宅やローコスト住宅と呼ばれるビルダーほど、施工に問題がある可能性が高くなると思っています。ローコストにするために施工期間を短くし、人件費を削減しているためです。
一方で、大手ハウスメーカーほど部材の工業製品化が進んでおり、作業者による品質低下を避ける仕組みになってきていると思います。
また、最終的に家を建てる工務店に直接依頼することは、大工ガチャに失敗する可能性を下げられる可能性が上がると思います。
いずれにしても、建つ家の品質については、施主も最初に考えておく必要があると思います。

 

安かろう悪かろうではなく、しっかりと家を建ててくれることを大前提に、予算に合ったビルダー探しをしましょう。

 

#文字だらけになりました。次回からゆる~くいきます。